Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

自賠責保険金支払基準の改正④

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⑤ 平均余命年数とライプニッツ係数表の改正(別表Ⅱ-2)
※ 法定利率の引き下げや平均余命年数の変動を踏まえて改正されています。この点は、かなり大きな違いです。
 
例えば、
0歳の男児については、
【現行】→【令和2年4月1日以降に発生する事故】
平均余命年数78年、ライプニッツ係数19.555→平均余命年数80年、ライプニッツ係数30.201
 
70歳の女性については、
平均余命年数18年、ライプニッツ係数11.690→平均余命年数19年、ライプニッツ係数14.324
 
といったように変わって来ます。
 
 
⑥ 全年齢平均給与額(平均月額)の改正(別表Ⅲ)
※ 賃金水準の変動を踏まえて改正されています。
 
【現行】→【令和2年4月1日以降に発生する事故】
男子:41万5400円→40万9100円
女子:27万5100円→29万8400円
に変更されています。
 
文献等にあたった訳ではない私見ですが、
女子の賃金水準は、経時的に上昇傾向にあると思います。
これは、女性の社会進出や格差是正が進んでいるためではないかと思いますので、非常によいことと考えます。
一方、男子の賃金水準の下落は、決してよいことではないと思います。
あくまで推測ですが、就職氷河期の問題や中間層の崩壊が原因になっているのではないかと感じています。

ちなみに、
いなば法律事務所の弁護士は、熊本地方裁判所を中心に交通事故訴訟を相当程度、扱っていると自負しております。
この点、いわゆる裁判基準(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)において、「若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合には、学生との均衡の点もあり全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする。」とあるにも関わらず、保険会社側は、20代でも収入が全年齢平均より少ない場合などに、将来的にも全年齢平均程度の収入を得られる見込みは薄いとして、全年齢平均の賃金センサスを用いるべきではないと主張してくることが、多々あります。
しかも、裁判官も、決して被害者側に好意的でない判断を示すことも多々あるように感じています。

熊本県特有の事情として、例えば、東京などにくらべて平均所得が低いという事情があると思いますが、男性の賃金水準が低下傾向にあるということも背景事情にあるのかもしれません。
(裁判官が、「(現在も年収が低いようだし)今後も年収が大幅に増える可能性は低い。」と考えているのではないかと推察されます。)

裁判における実情については、別途、解説したいと考えていますが、以前ほど、裁判所も被害者側に好意的でないように感じられることには、注意が必要です。


  
なお、自賠責保険金支払基準の改正の詳細は、金融庁の下記ホームページに記載されています。
https://www.fsa.go.jp/news/r1/hoken/20191212.html
 

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