Solution to Traffic Accidents交通事故解決ガイド

労災事故~退職しても労災保険給付(休業補償給付など)を受けられるか?

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【ご質問】
勤務中や通勤途中などの交通事故であり、労災の適用がある場合がしばしばあります。
労災事故である交通事故(交通事故でない労災事故の場合も同じ話ですので、以下では「労災事故」といいます。)により、労災保険給付を受けていたところ、勤務先を退職するなどして雇用関係がなくなった場合、労災保険給付は止まってしまうのでしょうか?
 
 
【ご回答】
労働基準法と労働者災害補償保険法(労災保険法)に、下記のとおり、明記されています。
結論から言うと、退職して、使用者との間に雇用関係がなくなったとしても、支給要件が満たされている限り、保険給付を受けることができます。
 
例えば、休業(補償)給付の支給要件は、
① 業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため
② 労働することができないため
③ 賃金をうけていない
ことです。
この要件を満たす限り、休業4日目からその期間中支給されます。
(療養開始後1年6ヶ月経過し、その負傷又は疾病が治っておらず「傷病等級表の傷病等級に該当する程度の障害」がある場合は、傷病(補償)年金が支給されます。)
 
 
【根拠条文】
労働基準法
第83条(補償を受ける権利)
第1項「補償を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」
 
労働者災害補償保険法
第12条の5
第1項「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」
 
 
【理由】
退職後は労災保険給付がなされないとなると、業務上の事由により負傷し療養しているのにも関わらず、その治療を受けられないなどといった不合理なことになるためです。
 
 
【豆知識】
定年退職した場合であっても、休業(補償)給付を受けることができます。
 
定年退職は、労災事故がなくても、発生するはずです。
当然のことながら、定年退職後は、その勤務先から賃金を受けることができなくなるはずです。
とすると、休業損害が生じないため、補償を受けることができないのではないか、とも考えられます。
 
しかし、
労災事故により負傷していなければ、定年により被災した事業場を退職し、当該事業場から賃金を受けないとしても、「他の事業場に再就職し、賃金を得ることもできます」ので、業務上の事故に対する補償は、「雇用関係の存続とは別に」考えられています。
 
 
【参考文献】
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154471.html
東京労働局ホームページ
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/rousaihokenkyufu/q1.html

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