被害者：２０代女性、熊本県八代市在住 
交通事故発生地：熊本県内


《弁護士依頼の経緯》 
交通事故による傷害の療養中に、ご家族様が、熊本県八代市から熊本市内に弁護士相談に来られました。
法律相談を経て、弁護士依頼を頂きました。 


《弁護士の活動①～後遺障害等級認定の取得》 
いなば法律事務所にて、後遺障害等級認定申請から被害者様をサポートさせて頂きました。
後遺障害等級認定の結果、 
・ 高次脳機能障害につき「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」として９級１０号 
・ 脊柱の障害について「脊柱に変形を残すもの」として１１級７号 
あわせて併合８級の後遺障害等級の認定を得ることができました。 

高次脳機能障害についてもこまめにサポートさせて頂いたのは当然として、
本件交通事故においては、脊柱変形１１級７号は、弁護士が、熊本市内の病院に診察同行し、医師に追加の依頼をしなければ認定されなかった可能性が高いと思われました。 


《弁護士の活動②～交通事故紛争処理センターへのあっせん申立》 
後遺障害等級認定の結果を受け、弁護士にて、相手方の任意保険会社と示談交渉をしました。
相手方の任意保険会社は、自社の既払い金のほかに、新たに「約２２９０万円」の支払での示談解決を提示してきました。 

ご依頼者様もご家族様も、「相当な金額だと思われた」ようで、「約２２９０万円」で示談してしまうお気持ちでした。
しかし、弁護士の目から見て、本件交通事故の解決には低すぎる賠償額と判断されました。 

そこで、ご依頼者様とお打ち合わせを行い、
解決方法としては、ご依頼者様のご希望に従って、訴訟をするのではなく、示談での解決を志向することになりましたが、
このまま任意保険会社と直接交渉するのではなくて、
交通事故紛争処理センター（福岡）に弁護士から和解あっせんを申し立てることとしました。
 
というのも、本件交通事故の相手方任意保険会社は、他の交通事故事件における、弁護士の交渉経験からも、
「大手保険会社の中で、特に、提示金額の低さが目立つ会社であり」、
この会社と直接交渉を継続しても、満足な解決が得られないと考えられたためです。


《あっせん申立の結果》 
交通事故紛争処理センターにおいては、
弁護士にて、訴訟に準ずる形で各種資料を揃えて、主張立証を行いました。 

交通事故紛争処理センターの担当弁護士と稲葉弁護士・任意保険会社とで賠償額の交渉を続け、
最終的には、任意保険会社が新たに「約３３０５万円」を支払う形での示談解決となりました。 
交渉段階における任意保険会社の提示額から「１０００万円以上増額」された金額となります。 


《弁護士の考える本件交通事故の解決におけるポイント》 
ご依頼者様とご家族様に寄り添っての後遺障害等級認定取得ももちろんですが、
後遺障害等級認定の結果が出た後も、「弁護士としての判断」を、「根拠を示して」、きちんとご依頼者様にお伝えすることで、妥当な金額での最終解決に至れたものと考えております。 

保険会社は、一般に社会的に信頼性が高い大企業ですので、このような会社から、数千万円単位の示談額を示されると、
「きちんと計算された妥当な金額を示してくれているのではないか」と思いがちです。

しかし、交通事故事件を多く取り扱っている弁護士の目から見て、
今回のようなケースはかなり多いと思われるので、保険会社の示談提示額が裁判例などに照らして妥当な金額であるのかを、示談書に署名捺印してしまう前に、一度、弁護士に法律相談されることをお勧めします。 

また、後遺障害等級の取得についても、
医師や保険会社任せにしないことで、今回の等級認定取得に結び付いたものと判断しております。

交通事故における後遺障害等級の認定について、効果的に被害者様をサポートさせて頂くには、
一般にはあまり知られているとは言いがたい、後遺障害等級認定実務の知識と経験が必要と思われます。
そのため、交通事故分野の実績がある弁護士に、交通事故の解決について、ご相談やご依頼をされることをお勧めします。